お笑いの話
大阪出身だからというわけではないが、小さいころからお笑いを見るのが好きだった。さすがに評論のような偉そうな真似はできないので、ただネタを見てアハハと笑っているだけなんだけど。それでも好きな芸人さんは一丁前にいくらかいる。
アメリカザリガニ
「どの芸人が好き?」と聞かれたとき、かならず一番に名前を挙げるコンビ。きっかけは2002年のM-1で、畳み掛けるようなボケとツッコミの応酬に、笑いすぎて呼吸困難になりかけたことを未だに覚えている。大人になってからその年の順位を調べたら、最下位だったのでかなり驚いた。
何がいいって、ふたりの声質があまりに違いすぎる(ツッコミの声が高く、ボケの声が低い)んだよなあ。「お笑いの真髄は緩急にある」っていうのはよく言われる話だけど、アメリカザリガニはしゃべっただけで緩急が生まれている。ずるい。あとはまあ、単にスタイルが好きなんだと思う。ブワーッとまくしたてるタイプ。このへんは好き嫌いがあるんだろうけど。
ライス
キングオブコント2016で優勝したことは記憶に新しいけど、私がこのコンビを知ったのは3~4年前だと思う。そのころは人を選ぶネタばかりやっていて、なかなかアグレッシブな芸風だなあと思っていた。それがKOCの決勝に残って、そのまま優勝までかっさらっていったのは本当に驚いた。ちょっと涙ぐみさえした。
ライスのネタは、世界観の完成度がすごい。Wikipediaに小説や映画からネタのヒントを得ていると書いてあったけど、まさにそういう作品を見ている気がしてくる。
優勝をきっかけに大阪のライブにも多く出演されるようになって、とても嬉しい。
メイプル超合金
2015年のM-1で初めてネタを見て、好きになったコンビ。どこで好きになったのかと言うと、ふたりそろって「ブパパブパパブパパ~」と言うので、ネタが終わるのかと思ったら、終わらなかったからである。本当にあの掛け声をきっかけにネタが終わっていたら、ここまで好きになっていなかったと思う。
最近はいろいろな番組に出演されていて、それぞれピンの仕事も増えてきているけど、個人的にはメイプル超合金がふたりそろっているときが一番面白いと思っている。
こうして好きな芸人さんを並べて見てみると、それぞれスタイルがまったく違うというか、「こういうネタだから好き」っていう傾向が自分にはないことに改めて気付かされる。
んで、個人的にものすごく寂しいのが、周りにお笑い好きの友達がいないことである。「昨日のネタ番組おもしろかったねー!」とか「今度あのライブ一緒に行こうよー!」とか、そういう会話ができる友達がいない(いたとしても、こんなキャピキャピしたやりとりにはならなさそうだけど)。
だから私は、ひとりで賞レースを見て盛り上がり、ひとりで劇場に赴くのである。次も、その次も、そのまた次も。